去年は知らない女の子からどんぐりもらった

さっきスーパーに買い物へ行って、お菓子売り場で「札幌が地盤沈下を起こすくらいの量のサッポロポテトを食べたいよ!」と指を咥えて棚を眺めてたら、3歳か4歳くらいの知らない女の子がプリキュアのグミ?みたいなのをぼくのほうに差し出しながら「買って!」と言ってきました。

 

まわりを見ると、たぶん母親だと思われる人が少し離れた位置で商品を眺めてましたが、ぼくが幼児に脅迫されていることには気付いていないようでした。

別にグミくらい買ってもいいのですが(ぼくの資金力は3歳児の2倍はあると思うので)知らない女の子というのが困ります。女の子にグミを買ってあげたところで悪意なんて入り込む隙間はないですし(しかもプリキュアは正義のヒロインのはずです)特に問題はないと思いますが、知らない子どもを叱る大人がいなくなったように、知らない子どもに善意をプレゼントするのも難しい世の中なのです。

 

だからといってこのコに対して「あぁん!?誰に口きいとんねん!わしは泣く子がもっと泣く、廃人量産機こと令和の赤鬼やぞ!ツノいっぱいあるんや!」と脅したところでしかたありません。いままでお菓子を眺めてヨダレ垂らしてたの見られてるし、ツノないし。

 

なのでぼくは「もっとお菓子持ってきていいよ」と答えて、女の子がお菓子を選び始めた隙に逃げてやろうと思ったのですが、女の子は「お菓子はひとつまでだよ」と、札幌を犠牲にしてでもお菓子を食べたいと考えていたぼくの心をえぐるような返しをしてきました。

 

なんにせよ窮地に追い込まれてしまいました。しかしぼくは賢いので(ぼくの偏差値は3歳児の1.2倍はあるので)「プリキュア好きなの?」と話を逸らして誤魔化してやりました。「がっちゃんが好き」って言ってました。いまだに『がっちゃん』がなにかわかりませんし「がっちゃんってなに?」と聞いても満面の笑みを浮かべながら意味不明な供述をするばかりで、その光景は狂ったサイコパスの取り調べのようでしたが、そんなことはどうでもいい。

 

結局、母親が気づいて難を逃れました。逃れたというか、母親は母親で「あら〜、お兄ちゃんとおしゃべりしてたの?」だって。お前の娘はグミを要求して、わけのわからない思想を披露してただけよ。よど号ハイジャック犯かと思った。思ってないけど。

 

こういう出来事があったってだけで、特にオチとかないです。むしろオチがある話なんて古いからね、しょうがないよ。

 

 

おしまい