しかしこのあと俺が2年くらい無職になるとは思ってもなかった

昨日の記事で前の仕事のことをちらっと書いたので、その話を書きます。書くこと思いつかなくなって過去の話ばかりするようになると終わりも近い。

 

大阪で、障害者を企業に送り込む仕事をしてたんですけど。働きたい障害者が相談に来るんで、カウンセリングしてその人に合う仕事をピックアップしたら企業の人とのあいだを取りもって就職してもらうっていう。ちょっとした女衒みたいなもんですね。

 

障害者って知的と身体があるでしょう。あと精神ね、うつ病とかね。このなかで企業にもっとも需要があるのはどれでしょうか!ちっちっち…ぶー!答えは知的です。次が身体、で、圧倒的に人気がないのが精神。

 

まず知的ですが、働くつもりがある時点で知的障害としては軽めなんですけどね、この人たちは単純作業でも集中力があるし時間も守るし真面目だし言われたことも素直に聞く。抽象的なことが理解できなかったり判断力がなかったりするのが欠点ですが、それは仕事内容や、企業の人のフォローで簡単に取り除けるので余裕です。知的が来た時はボーナスステージでした。マリオカートでスターを引いた感じ。

 

次の身体は微妙で、楽な人は楽です。ただ、障害の内容と性格によるところが大きい。特に後天的に障害を負った人はプライドもあるのか、安い金で単純な仕事なんてしたくないみたいな感じは出します。なんでここに来たんや。ちなみにちょっと補足しとくと、ぼくが勤めていたのは独立行政法人といいまして、簡単に説明すると「国からは独立してるけど民間ってわけでもないで!税金で運営するけど基本は好きにしたらええで!」みたいな感じというか、国営と民営のあいだくらいの形態なんですけど、だからまぁ公務員ではないんですね。会社員でもないけど。だけどそこに来る障害者(と保護者)は、普通に公務員だと思ってる人がほとんどでした。だから文句を言われたりもします、国の犬的な。で、一番文句言ってくるのが身体タイプ。まぁここはいろいろいるので一概には言えませんが。マリオカートでいうとジャンプできる羽くらいの感じ?

 

で、精神。おもに躁うつ病(躁病、うつ病も含めて)なんですけど、うつ病なんかでも種類があって、昔ながらのうつ病…真面目で我慢強くてまわりに弱音吐けないタイプの人がなるやつですね、こっちは特に問題ない。ちなみにお医者さんとも連携することがあったんですけど、話を聞いたら、この昔ながらのうつ病精神科医のボーナスステージらしいです。たいていは数ヶ月くらいで治るらしい。もともとしっかりした人が、たまたま不幸な環境が重なりうつ病になっただけで、治すのは簡単だそうです。なので、この人たちのフォローは難しくない。そもそも休職してるだけで、仕事先は確保されてて相談に来ただけだったりするし。最悪なのが、いわゆる新型うつってやつ。なんとなく知ってるかもしれませんが、遊んでる時は元気だけど都合が悪くなると気分が落ち込むっていう、アレ。こいつらはだいたい母親に連れられて来ます。こいつらが来るとがっくり。マリオカートでいうとアイテム取れなかったうえにバナナで滑った感じ。

 

まず、身体ともつながるところですがプライドだけは高い。障害者といっしょにされたくない、っていう。Twitterなんかでも「あたし、うつ病で…」みたいなこと言ってるメンヘラいますけど、あいつら絶対「あたし、障害者で…」とは言わないじゃないですか。そういうとこ。さっき知的の特徴を言いましたが、アレの逆の特徴がこいつらって感じ。集中力ないわ、文句は言うわ、コミュニケーション能力もないわ、すぐ仕事やめるわ。実際の就労能力でいえば知的や身体以下なんですが、本人たちはそう思ってないんですね。

 

障害者雇用促進法というのがありまして、現在は精神障害も対象になってるんですが、ぼくが仕事してた時は対象じゃなかったんですね。そのせいで余計に需要がありませんでした。企業からしても、こいつら雇っても障害者枠にカウントされないし、そもそもこいつら使えないし。たぶん国も気づいたんでしょう、精神ぜんぜん人気あらへん!って。だから対象に入れたんだと思います。

 

こいつらは大変です。「自分は繊細でデリケートで心が弱いだけ!能力自体は低くない!まわりが悪い!」これがデフォルトの設定です。自己愛が強くてプライド高くて都合が悪くなると人のせい。しんどいよ!心じゃなくて頭が弱いだけだよ!もうそこらへんでバイトでもしとけばいいやん。しかしそうは言えないので、良いように言って適当な会社に送り込んでました。障害者雇用に積極的な会社って大企業が多いんですけど、先ほど言ったように当時は精神は障害者雇用促進法に入ってなかったので大企業も乗り気じゃなかったんですね。需要がぜんぜんないんで、結局なんとかして、中小企業の「病気はしゃーない!ええがなええがな!これからゆっくり進んだらええがな!」的な浪花節って感じの会社に送り込むことも少なくなかったんですが、当然のように、そういう社風のところには馴染めないんですね。すぐやめる。そうなると、もう、こっちのやれることはひとつだよ。困っちゃう、っていうだけだよ!

 

長くなりました。日を分けて書けばよかった。2日分あるやん。明日は、そうですね、なんか別の話をします、なんかの。

 

 

おしまい