猿の脳みそ食う部族いたよね

昨日のブログでは論理について話したのでした。言っときますけど、今日は真面目な話ですからね。覚悟しとくように。遺書でも胸元に忍ばせておくように。

 

ピーター・シンガーって哲学者がいるんですね。シンガーは人と動物についてよく考えてる学者なんですけど、まぁ動物愛護者なんですよ。っつってもシンガーをそこらへんの動物好きと一緒にしてもらっては困る。まぁ好きかもしれませんが。かなりラディカルに、そしてロジカルに考えてる人です。

 

大雑把に説明すると、権利って言葉がありますね。権利というのはいったい何なのか?そしてそれを定義できたとして、その権利というのはどこまで適用されるのか?国?人種?年齢?そして動物は?

 

チンパンジーの知能は人間の赤ん坊よりも優れている。それは権利を与えるに値するのではないか」

シンガーはこんなことを言うんですね。ここではざっくりとしか説明してないですが、こういう話を極めて緻密なロジックを積み立てて語っている。ちなみにシンガーはヴィーガンで、愛護団体に莫大な額も寄付したりしてるので筋は通してるんですね。

 

しかしこれは感情的な反発を呼ぶんですね。なにしろ人間の胎児よりも猿のほうが権利上は高い位置にいるっつってんですから。当然ですね。でも本を読めばわかるんですけど、シンガーのロジックはかなり強固に作られてるんで、そうそう崩せないんですよ。正直に言えば批判の声もかなり感情的なものが多いです。

 

でも世の中ってそういうもんですよ。意外と世界は論理や合理性では動いていない。いま思い出しましたけど、ぼくが高校くらいの時に新聞で読んだ話で、とある母子がいて、母親がちょっと目を離したあいだに子どもが電車の線路内に入っちゃったんですよ。そして電車は走ってきていた。もう間に合わない。で、ここで母親は子どもを助けるために線路内に走って、母子二人とも轢かれて死んじゃったんですね。

 

これ、理屈で考えれば、もう間に合わないのだから子どもを見殺しにしたほうが被害者が少なくて済むじゃないですか。いやまぁ理屈で考えればね…でも母親は走っちゃうわけですよ。そこには論理など入る余地はない。

 

さて、話はとっ散らかりましたが、まぁそんな話ですよ。場合によっては論理なんて紙くずにしかならず、感情が勝つ時はままある。そんな話でした。はい。シンガー読んでみてください。おもしろいから。

 

 

おしまい