手紙ももらったけど、それは捨てた

去年の夏に会社で『親子で楽しむ電子工作祭り』みたいな子どもへの求心力ゼロって感じの企画があって、社員の子どもたちが来てワイワイやってたんですけど、それにぼくも参加させられたんですね。なんか電気式ピタゴラスイッチみたいなの作らされましたけど…別にたいしてウケなかったし!労力とリターンが見合ってないよ。

 

時は経て、12月になったらまた子どもたちが来てました。よくわかんないですが、ぼくがピタゴラスイッチを見せたことに多大なる感謝の意を示したのか、お菓子が詰められたサンタの赤い靴を貰いました。サンタの正体が子どもだったことにがっかりしつつもムシャムシャお菓子を食べました。

 

さらに時は経て現在の話ですが、靴、まだあります。会社のぼくの机の上に。飴とかチョコとか駄菓子とか小さいお菓子を詰めてます。これ、ぼくが定期的に補充してるんですけど…まぁ本当は同居人に「靴用のお菓子買ってきとけよ!」と丹田を蹴り飛ばしながら命令して買ってきてもらってるんですけど…それはいいとして、なんか、いつからか誰でも食っていい感じになってる。

 

最初のうちは、ぼくが「食べてもいいよ」と言っていて、次はまわりから「食べていいですか?」って聞かれるようになって、いまでは勝手に「むしゃむしゃ!」って感じ。

で、気づいたらぼくはたいして靴のお菓子を食べてないです。俺は兵糧を運ぶ係じゃないんだぞ!レーションを保存してる場所のデブの倉庫番みたいな扱いしやがって。

 

で、今日の話ですけど、とうとう「お菓子、少なくなってきましたね」だって。遠回しに要求までしてくるようになってしまった。ぼく、同居人にはさも自分が食べてるような雰囲気で接してるので、同居人からしたら、まさか他の人間にすべて食われてるとは思いもよらないでしょう。

いじめられっ子がお母さんに作ってもらったお弁当をいじめっ子たちに地面にぶちまけられたりして、でもお母さんには「お弁当、おいしかったよ…」ってウソつく時って、たぶんいまのぼくみたいな気分なんでしょう。可哀想だよ、俺が。第三者委員会できちゃうよ。

 

完全にお菓子がなくなったら靴、捨てようと思います。むかつくから。

 

 

おしまい